Blood Tear
陽は傾き、空が赤く染まり町は段々闇に包まれる。
高い建物が並ぶビルの陰。
そこにある2つの人影。
倒れて動かない人物と、その上で何かを口に運ぶ黒い ローブを着た人物。
冷たく青白い肌…
見開かれた瞳…
地に広がる赤い液体…
血のように赤い瞳をした人物は、既に息をしていない死体を喰っていた…
口の周りを真っ赤に染め、死体の腕をもぎ取ると嫌な音を立て一心に食らいつく…
「フリードーー!!」
突然怒りのこもった声が聞こえたかと思うと、巨大な鎌が振り下ろされた。
その刃はローブを着た人物には当たらず、地に転がる死体の体に突き刺さる。
攻撃を交わされ鎌を死体から抜くと、背後に移動した人物を睨む。
鎌を抜いた瞬間、鮮血が色白の頬に付着したが気にする事はない。
「クレアか……まだ生きてたんだ」
鎌を構える銀髪の女性を目にそう言うと、死体からもぎ取った腕を彼女に向かって放り投げる。
それを鎌で払いのけると、無駄な動き1つ見せずに地 を蹴った。