君に伝える物語
君は僕に、「あなたの気持ちが分からない」といって泣いた。

僕らは違う人間なんだから、わからなくて当然じゃないか。

そんな風に僕は言って君を傷つけてしまったね。

君が欲しい言葉は、そんな言葉じゃないことくらいわかっていたのに。

あの時の君の悲しみにくれた顔が僕の頭から離れないんだ。

わからなくて、当然なんだ。

だから僕たちはきっと伝え合う努力をしなきゃいけないんだ。

言わなくてもわかるだろう?

なんて。

傲慢だ。

君が言葉をくれなくなって、初めて気づいたよ。

君はいつでも僕にたくさんの言葉をくれたのに。

僕はきっと君の半分も返していないね。

いや、半分は多すぎか(笑)

多分、3分の1も伝えてないかな?

言葉足らずな僕が君との付き合いに苦労しなかったのは、

きっと君が僕の言葉を汲み取っていてくれたから。

でもそれじゃあきっとダメなんだ。

今回ばかりはそう思うよ。
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