風に恋して:番外編
――静かに寝息を立て始めたリアの額に口付けを落として、レオはそっとベッドから抜け出した。

絨毯に落ちた自分の服を身につけてからリアのガウンを拾い上げ、リアにそれを着せる。リアは少し身じろぎしたけれど、起きる気配はない。

レオはリアの寝顔を見てフッと笑みを漏らした。

リアが“嫌”と言えば、レオはそれ以上進むことができない。けれど、リアがそうやってレオを拒めないようにする方法もレオは知っている。

自分の情熱を隠さずにリアに向ければ、リアは応えてくれると。

それでも一番は、リアの意思だから。

今日のようにリアが求めてくれるのなら惜しみなく愛を伝えるけれど、嫌だと言うのなら無理強いはしたくない。

そのために、どれだけの理性と忍耐力をつぎ込むことになっても……

「お前は、やっぱり俺の苦労を知らなさすぎる」

けれど、レオ自身もわからないほどにリアへの気持ちは大きくて。きっと、そのすべてをうまく伝えることはできないだろう。

レオはもう1度笑って、リアの唇に自分のそれで触れた。そして、リアを引き寄せて目を閉じる。

今夜も、幸せな夢が見られるだろう。

リアの隣で――



You probably don't know how much I love you…  *END*
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