【完】まりあ ~人魚姫の涙~
その日からわたしはマリア様の護衛として付いていたのだが、マリア様の行くところ全てが笑顔で溢れる。
本当に不思議な子だ---
そしてすぐに気がついたことは、王子様を見るマリア様の瞳。
切なそうに…、
悲しげな瞳で遠くから王子を見るマリア様。
きっと王子様が好きなんだろう…、と言う事は誰の目から見ても明白だったと思う。
しかし王子様には、婚約者である隣国の姫がいた。
その方は以前、王子様が船から海に投げ出された時に助けたという方で、それが縁で婚約したのだ。
…それにしても姫と呼ばれる方が、海に沈みゆく成人男性を助け出すことが出来るのか?
俺でさえ中々難しいのに---
そう疑問に思ってはいたが、助けたと言うのだからそうなのだろう…。