【完】まりあ ~人魚姫の涙~


「…違う。俺の記憶が曖昧になったのは、まりあがオーデションに受かってすぐに行なわれた顔合わせの日の後からだ…」




「…それまではずっと、麗華さんといても催眠術をかけられてはいなかった?」




「あぁ…。ただ、恋人同士ではあった。……まりあ、本当にゴメン」




そんな事、謝らなくていい。




だって私は裕也さんと出合っていなかったし、それに裕也さんが私以外を好きになっても仕方のない事---




「麗華さんの事、好きだったんでしょ?」




「好きだった。…でも、まりあと出会ってから俺がまりあに急速に引かれていった事を多分、麗華はすぐに気づいた。…だから、俺に催眠術なんてかけたんだろう。現に俺の今、好きな人は---」


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