はやく俺を、好きになれ。
『まゆぽん、まだ電話は終わらないのかい?』

『あ!綾ちゃん!』



不意に電話から葉の姉の声が聞こえてきた。



『陽の電話は長いねえ。さっさと切っちまったらどうだい?』

『え〜。駄目だよ!きっと寂しいから電話して来たんだって!無視するのは陽が可哀想だもん!』

『まゆぽんは優しいな。陽なんか放っておけばいいものを…』



ぶつくさ文句をいう綾の声が聞こえてくる。コイツら、通話中だと言うことを忘れてんじゃねえの?


しかも真優は俺をどういう目でみてんだ。“寂しい”とか餓鬼か。確かに真優がいねえのは“寂しい”が本人に言われると妙な話だ。
< 90 / 200 >

この作品をシェア

pagetop