だから、恋なんて。

目の前の直人さんは、さっきまでの硬い表情はどこへやら、今度はちょっとはにかみながら千鶴への愛を語っている。

「ちょっ、ちょっと待ってください?」

「はい?」

暴走し続ける直人さんを一度急停止させて、今度は私がコーヒーを一口ゴクリと飲む。

「それが原因とかじゃあ…ないです?」

「それ?」

「いや、だから、その~………ほぼ毎日っていうのが」

「え?」

「しんどいとか?」

「……それじゃあ…、なんで」

何かを考え込むように俯く直人さん。

というか、考えなくても、ほぼ毎日そんなことシテるんだったら、千鶴に不倫する時間なんてないことがわからないのだろうか。

いくら旦那が年下だからって、四十路になってほぼ毎晩って……命縮まるわ。

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