だから、恋なんて。
短い間だったけれど、一緒に暮らしていて、話をする時間はたくさんあった。
缶ビールを飲みながら千鶴の作ったおつまみを食べて、テレビを見ながらどうでもいいことをあーでもないこーでもないと笑いあって。
それでもふと、何かを思い出したように黙り込む千鶴に気付いていたのに。
簡単に口に出せないほど深刻なことが原因で家を出てきたってことも当たり前にわかっていたのに。
聞くべきか、待っているべきかを決めかねているうちに、今日になっていた。
もう人生の半分くらいは付き合ってきてるのに、私は千鶴の助けになれていない。
そんなことを考えていると、辺りはもうすっかり真っ暗になっていて。
やっぱり急変とかかな…って考えながら、ブランコから立ち上がると。