だから、恋なんて。
「急変だったの?」
コクコクと首は縦に振るけれど、まだ返事はできないみたい。
いつまでたっても顔をあげない男に少し呆れて、もう一度ブランコに腰を落とす。
いい大人が二人並んでブランコって……誰にも見られたくない。
万が一誰か病院関係者が通らないかとビクビクしながら周りを見渡していると。
「こんな遅くまで待たせて、ごめん」
ムセたためか、うっすら涙目のチャラ医者はやっと顔を上げる。
「待ってるって言ったのは私だし、お互い連絡先も知らないんだし…」
「…怒ってないの?」
「なんで私が怒るの?」
「え、だって…もう一時間くらい待たせちゃったから…」
「だから、急変だったんでしょ?」
「そう…だけど」
「急変対応中に帰る時間ばかり気にする医者なんて最悪でしょ」
「でもさ」