だから、恋なんて。

「いや、全然思い当たらない。だってそれほどよく知らないし。真面目だなぁっては思うけど」

「それだけですか?」

「う~ん、さり気にオシャレなんだな、とか」

「オシャレですか?」

「そうなんじゃない?だっておじさんのドクターとは違って、小物がいちいち高そうというか、気を使ってそうだし。あとは、何故か人を緊張させるというか…」

ついつい榊にのせられて青見先生について語ってしまっていて、しまったと思いながらそろりと隣をみると。

「な~んだ、やっぱり気になってるんじゃないですか」

したり顔の榊と目が合う。

「だから、そんなんじゃないって」

伸びてしまって全然減らないうどんを啜りながら、さっきまで青見先生が座ってた窓際に視線を移す。

そこにはまさにオジサンといえるドクターがうどんを飲み物のように飲み込んでいて。

そうなるとやっぱり少し残念な気持ちとホッとしている気持ちが混在する。

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