だから、恋なんて。
「とりあえず、乾杯しよっか」
せわしなく歩き回る千鶴がソムリエのようにシャンパンを皆のグラスに注ぐ。
隣に座る医者を忌々しく睨んでみても、直人さんは面白がるだけだし、当の本人は何を勘違いするかわかったもんじゃない。
家に着いてすぐに取りあえずの料理を作り出す千鶴に手伝おうかって言っても邪魔になると断られ。
直人さんに勧められるままリビングのソファに座ると、当たり前のように隣にはチャラ医者が座り。
着替えに行くと爽やかに笑う直人さんをどれだけ引き止めたかったか…。
黙っていても仕方がないので、しぶしぶ口を開いた。