だから、恋なんて。
もし私だったら、これだけ長い間想いつづけてたことを終わらせるって、今までの自分からなにか無くなってしまうような不安でぐらぐらしていそう。
「ただひたすら想っていたら、いつか気持ちが通じるかもしれない……なんて、本気で思ってたわけじゃないんです。ただ純粋に、先輩を好きだった気持ちが、何時しか言い訳に変わってしまったことに気付くのが嫌だったのかも」
「………」
何故か申し訳なさそうに笑う雫が、今にも泣きだしそうに見える。
「先輩のことが好きだから、忘れられないから次の恋愛を出来ないでいる……だって私って一途だから、なんて自己満足で無理矢理納得してたんです。」
「そうなの、かなぁ…」
腕くみした千鶴が、独り言のように呟く。
私だっていつの間にか同じように腕を組んで考え込んでしまう。