だから、恋なんて。

「ちょっ、なによ、変態」

「変態はないでしょーが。深夜明けの美咲さんもイイねって言っただけなのに」

「……だからさ、」

「こういうのがチャラいって?」

先回りで言われてしまい、言いかけたまま口が塞がらない。

勝ち誇ったように笑う医者だけど、その瞳はやっぱり……優しい、気がする。

その瞳のせいかなんなのか、夜勤中のようなトゲトゲした気持ちじゃなくって、素直に落ち着いて話せそうな気になる。

なんだか、年上の彼氏に「なんでも言ってごらん?」とかって見守られている感じ?

まぁ、私より年上って設定がかなり難しいけど。

窓の外に視線を戻して、眩しさに少し目を細める。

「結局、知ってたの?」

さっき言えなかった言葉を伝えるけど、その気持ちは少し前とは全然違う。

どういう答えを言われようが、どんな小細工をしていようが、なんとなく許してしまいそうな、そんな気持ち。

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