だから、恋なんて。

「いや、もう何の効力もないと思うよ、その噂」

「え?」

「アイツの言う事なんてはなから信じてない」

「…そう、なの?」

じゃあなんで、あの噂で近寄ってきましたって医者ばかりだったわけ?

だって、鎌田の名前を出してきた人だっていたんだし。

「美咲さんを見たら、鎌田なんかに引っかかりそうにないのわかるって。多分、その噂をダシに近寄ってきた奴ら
だって、ただ普通に美咲さんを誘いたかっただけなんだと思うよ?」

「そんなわけないよ」

「そんなわけあるでしょ。きっとその頃の美咲さんって警戒しまくってたと思うし?」

軽く目をつむって思い出そうとするけど、なんといっても十年以上も前のことだし…。

警戒…は、充分にしてたと思うし。

だって、また同じ目に合されたら堪らないって、悔やみまくってただろうし。

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