だから、恋なんて。
ただ、断片的に浮かんでくるのは。
私がヒドイ言葉を投げつけた後の、相手のひどく傷ついたような顔。
あれを、あの時の私は、傷ついたと捉えることが出来なかった。
いくら若かったとはいえ、よくもそんなひどいことを言えたなってくらいの毒を吐いてた気がする。
……その人たちには何もされてないのに。
そう思い返すと、今さらだけどすごく申し訳ない気持ちになってくる。
「でも、そのおかげで、今俺が口説けてるからいいんだよ」
落ち込んでいく気持ちを察したように、いつものように調子のいいことを言い始める。
「俺に出会うために、今まで売れ残っててくれて有難いよ?」
「ちょっと、売れ残りってはっきり言わないでよ」
「いいじゃん、残り物には福があるって言うし?」
「…それってそういう事じゃないんじゃ…」
「まぁまぁ、細かいこと気にしないの」