だから、恋なんて。
みんなで飲んで騒いでストレスを発散する四十路会なのに、今日はなんだかいつもより濃い内容になっちゃってる気がする。
「ごめん、美咲。あれからだいぶ経ってるし、もう時効かと思ってたのよ」
「美咲さん…」
申し訳なさそうに二人に頭を下げられて、しょうがなくメニュ-から顔を上げる。
「私こそ、ごめん。なんか変な空気にしちゃって…」
二人の顔に、無理矢理にでも笑顔を作って軽く頭を下げる。
ガヤガヤとうるさい店内で、それぞれに気まずい笑顔を浮かべる四捨五入して四十路の集まり。
まず千鶴がプッと吹き出し、つられて雫と私も笑い出す。
「なんだかな~…ま、こんな会もいいじゃない。色んなストレスを発散しようって会なんだからさ」
「そうですね、とりあえず飲みましょうよ」
みんなでうんうんと頷きながら店員さんを呼んで、新しいお酒とつまみになりそうなものを追加注文する。
もうテーブルがいっぱいなので、新たに注文したものが届くまでにチゲとチヂミを急いで平らげる。