だから、恋なんて。

もうなんの飲み会だったかは忘れたけれど、夏の暑い日でビールが美味しくていつもより多く飲んでしまったのがダメだったのかもしれない。

引っ越ししたばかりで、いくら酔っ払ってるからといっても慣れない帰り道は少し怖かった。

だから、真面目そうな自分より若いドクターが送っていくと言ってくれた時は、ホッとしたのも事実。

他愛もない話をしながらマンションの前までふらふら歩いて来て、お礼を言おうと向かい合った時。

ガードする間もなにもなく、相手の顔が目の前にあって、あっさり唇を奪われていた。

全く警戒をしてなかっただけに、その後もビックリし過ぎて固まったというのが間抜けなところで。

< 61 / 365 >

この作品をシェア

pagetop