Heaven
そんな一瞬の迷いが、猫又に猶予を与えた。

飛び掛かる猫又。

少し遅れてアル・アジフを構えるカタリナ。

しかし遅い!

猫又の爪がカタリナの頬を掠め、続けて巨体が彼女の細身の体に圧し掛かる!

大型肉食獣の如き相手に押し倒されては、只の人間たるカタリナに抵抗の術はない。

このまま腕といわず頭といわず、爪や牙で責め苦の如く嬲られて、阿鼻叫喚の末に殺される。

…アル・アジフがなかったならば。

< 58 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop