Heaven
押し倒される瞬間、カタリナはアル・アジフの頁を開いていた。

そこから伸びてくる爛れた腕。

腕は、その指先の鋭い爪で猫又の腹を貫き、臓腑をメチャクチャに掻き回し、破壊し尽くす。

「ぐふぅっ…」

喀血する猫又。

その血が、カタリナの体にビシャビシャと零れた。

避けもせず、顔も顰めもせず。

カタリナは、ただ猫又を見つめる。

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