空色ホイッスル



小さい体に救急バッグを背負って、スコアブックや給水のカゴを抱えている彼女。



そんな彼女を知らないうちに見つめている自分がいた。



そして……ベンチから歩き出した彼女をみた瞬間。



「七瀬、俺ちょっと行くとこあるから先にロッカールーム行ってて」



「は?」と呆れた七瀬の声が後ろから聞こえてきたけどそんなの無視。



俺は試合で疲れてるのなんか気にせずに自分の学校のロッカールームに向かった彼女を追った。



今日を逃したら、敗北した咲坂高校は次の大会が来るまでしばらく会えない。



だから今日じゃなきゃ、今じゃなきゃ駄目なんだ。



そして、彼女とそう遠くない距離まで近づいた時、俺は「吉岡さん!」と呼んで声をかけた。



彼女の名前を呼んだときは平気だったのに、彼女が振り向いた瞬間心臓の鼓動が一気に速くなったことに気付いた。




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