君の存在が笑顔になる
「何で、こんなとこにいるんだ?何で嘘をついて出かけたんだよ?千太郎!何でだ?男なんだから、ちゃんと答えろよ」


千太郎のお父さんが千太郎に聞く。


私はお父さんに抱っこされて、その様子を見ていた。

だけど、言い出したのは私だ。


「せんくんのお父さん、ごめんなさい!桜香がせんくんに頼んだの!せんくんは悪くないよ」


千太郎が理由を言う前に私が言った。


お父さんは抱っこしていた私を下ろして、目線を私の高さに合わせるように膝を曲げた。


「桜香。じゃあ、桜香に聞くよ。何でこんなとこにいたんだ?」


私はお父さんの目をジッと見たままで答えた。
< 10 / 256 >

この作品をシェア

pagetop