山神様にお願い


 そう言って再び体が引っ張り上げられる。え!?って声を出す暇もなく、私は店長の腕の中、そして唇には彼の温かい唇が押し付けられていた。

 うわあー・・・・・。体がカッと熱くなった。

 人目につかない茂みの影とはいえ、大学の校門付近で、私は彼氏とキスを。

 その状況にも、キスそのものにも、とても興奮してしまった。

 ・・・・しかも。

 ・・・・しーかーも。

「て・・・てんちょ、う」

「黙って」

 ガッシリと後頭部を掴まれて、私の腰に回した腕にも力がこもる。

 キスが、不必要なほどに深いんですけど。ええと。何やら胸の辺りにも手の感触があるんですけど。ええーっと・・・・それに、膝の間に、足が・・・うそおおおおお~!!それ以上足上がられると、さすがにさすがにダメですから!

「ま、まっ・・・て、ねえ!」

 頑張って両手で彼の胸を押し返すけど、店長は遠慮なしでぐいぐいと押してくる。門近くの体育館、その付属倉庫の壁にいつの間にやら押し付けられて、私は胸元にひんやりとした冬の気温を感じる。

 うっきゃあああああ~!!胸、いつの間に脱がされてますかっ!?ボタンが外され、ブラの中には店長の大きな左手。それが好き勝手に動き回っている。外気で冷やされた彼の冷たい指先が、アチコチ触っては柔らかさを確かめようとばかりに力を込める。

 唇は今や腫れあがっているはずだ。彼は強引に吸い上げては熱い舌を絡ませてくる。

「うっ・・・」

「うーん、シカだ。久しぶり・・・」


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