山神様にお願い


「月曜日だからガッコにいかなきゃなんねーなんてこと、ナンセンスだぜ」

 って。いやいや、何いってるんですか。俺の親は1時限に2000円ほどの授業料を払ってるんですけど、と思ったけど・・・仕方ない。それに、俺だって勿論つまらないゼミよりは海で遊ぶほうがいいに決まっている。同じ大学の付き合っている彼女とはどうせ月曜日は会えないし、学校に行っても楽しいことなど何もないのだ。

 話はちゃかちゃか進み、お開きになったあとにようやく起きて海行きを聞いたシカさんは唖然としていたけれど、とにかく翌朝に山神前に集合ってなった。

 俺は食器を洗いながら考えていた。

 ・・・・・水着、どこにしまったっけ?


 山神のメンバーでどこかへ行くときには、いつもリュウさんがスペシャルランチボックスを作ってくれる。俺もまだ働きだして1年も経っていないのだけれど、それは何度かあった機会に知っていたのだ。皆で山登り行ったりだとか(山の中でトラさんが自由行動をしすぎて大変疲れた)、川で釣りとか(皆自由すぎて、誰一人会話が成り立たなかった)。

 実をいうと、海より楽しみだったのはそれだ。

 うちの板前、リュウさんが作る御飯は、本当に美味しいのだ。外見も素晴らしいが、中身が美味しい。そんなに味付けは濃くないのにしっかりと味がついていて、シンプルながらゴージャスな出来栄えという、わけわからない作品なのだ。

 それが彼が運ぶ大きなボックスの中からあふれ出さんばかりに出てくる。しかも、タダ。タダ!!それは、ここのバイトに応募してマジで正解だった!!と絶叫したくなるような瞬間。あとでちゃんと山神様に手をあわせてお礼も言うほどだった。


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