山神様にお願い
え?俺は不思議に思って首を捻る。
トラさん達の様子?それってなんだ?
ツルさんはにやりと笑うと、今度はお腹と足に日焼け止めをぬりこみながら言った。
「そろそろトラさんがシカちゃんを襲ってるかもしれないでしょ。シカちゃんは失恋の影響さほどないみたいだけど、まだトラさんがロックオンしてるってことに気がついてないと思うの。だから──────」
更に笑顔を大きくした。
「襲われて、きっとぶっ飛んでるはずなのよ。挙動不審になって死にそうになってるかも。辞められちゃ困るしさ、トラさんがシカちゃんを襲ってたら阻止してきてくれない?」
ぶっ!って思わず噴出してしまった。・・・ええ~・・・?サラッと今、すごいこと言ったけど・・・。
「え、ええ?トラさんがシカさん襲ってるんですか!?そりゃやばいでしょ!」
「うん、だからね、止めてきて」
「ってそれはマジなんですか?本当にそうなってるって?」
ツルさんが手を止めて真面目な顔をして俺を見た。
「勿論よ。周囲に誰もいない。海で遊んで美味しいご飯も食べた。元々野生児なトラさんの箍(たが)が外れるのっていたって自然なことでしょ?」
「しっ・・・自然、なんっすかね・・・?」
だってそれ、平たく言えば婦女暴行なのでは?俺は頭の中でそう考えた。だけどツルさんは何てことないって風に話している。