山神様にお願い
「あ、判る?やっと決まったんだよね、夜のバイト」
るんるんと私は答える。今日はいいよ、結構なレベルで許容範囲が広がってるから~、そう思って、満開の笑顔もつけてみた。
阪上君はプリントから目を上げずに、シャーペンをサラサラと動かしながら言った。
「・・・ついに、ソープに手を出したのか・・・」
「出してないわよっ!!」
机をパンパンと手で叩く。あまり近づくと、この子は危険なので大体同じ部屋にはいるけど遠くから私は指示を出すのだ。
基本、8畳の部屋の端と端で会話。そして基本、部屋のドアは開けっぱなし。
この条件をのんで、私は未だに彼の家庭教師なのだ。
救いだったのは、この子は理解力が高いので(それも最初は隠していた)、傍でつきっきりで指導しなくても教えられるということかな。
でないと、この子はすぐに手を出そうとする。具体的には、スカートならめくろうとする(なので基本的にはズボンスタイルだ)、手が届けば胸を触ろうとする(だから遠くに避難している)、隙があれば組み敷こうとする(14歳の時からだよ!驚愕だったね、私。無事逃げたけど)。
今もにやりと不気味に笑って振り返った。
「ソープなんて行かなくても、センセー彼氏いるんでしょ?満足させて貰ってないの?」