山神様にお願い


「ソープでなくて、居酒屋です!お子様はさっさとプリントをしなさい!」

 またパンパンと机を叩く。

 大体、彼氏とは2週間以上会ってません!勿論そんなこと、この悪魔君にはバラせないけど。

 何てことを言うのだ!と、最初は一々まともに反応していた私も、3年間もこれをされれば流石慣れるってものである。

 最初に家庭教師の仕事として学期末のテスト勉強を指導した時、この子が言った言葉はこれだ。

『学年順位あげたら、センセーの体をご褒美にくれる?』

 私は激しい眩暈に襲われながら、ぶっきらぼうに『あげません』と返したものだった。

 すると次に言ったのは、『じゃあ胸触らせて』で、それには廊下から顔を突き出して、『お母様~、ちょっとすみません!』と叫ぶことで、悪魔君を黙らせた。

 あー、懐かしい、そして悲しい思い出・・・。

 この子がいう私の彼氏は、付き合って2年の大学の同級生。小泉君だ。彼氏が出来たことが何故かバレた時、このエロ悪魔は泣いて悲しんでいた。

『センセーの処女は僕が貰うって約束したじゃないかああああ~!!!』

 確か、あの時は部屋に転がっていた週刊雑誌で頭を叩いてやったのだった。

『そんな約束してませんから~!!』と怒鳴りながら。

 暴力だ~!と騒ぐので、あなたのお母様から、八雲がセクハラ発言をした時は体罰を許す、と許可を頂いております!と返したな・・・。


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