俺ら参上ッッ!!

文化祭本番ッッ!!


*ひかりside*



――文化祭当日


「これより、文化祭を始めます!!」

ドン!ドドン!


玖白のアナウンスを合図に、青空に花火が咲いた。


「相変わらずだなー玖白は」

「派手だよね〜玖白は!」

「さすがだよね、玖白は」


三人で玖白に感心していた。

ド派手に花火…
風船に紙吹雪…
玖白の派手好きにはほんとに感心するよ、いろんな意味でね?


「ひかり!
準備するよ!」

「うん!」


私と美沙はメイド服に着替えて準備を進めた。


「月島さーん!
このテーブルどこ?」

「あ、廊下側!」

「おっけー!」


よいしょと言いながら二人でテーブルを並べていると…


「お手伝い致しましょうか?お嬢様」

「私目にお任せ下さいませ、お嬢様」

「「え?」」


私と美沙の前に、執事姿になった恋一と玖白が膝をついて頭を下げていた。


「こ、これって…」

「執事!?」

「左様でございます」

「執事でございます」


かしこまる二人の雰囲気は、本物の執事みたいだった。
いつもと全然違う恋一に、とてもドキドキしてしまう。


「なーんか柄に合わねーよ!
どうしてもやんなきゃなんねーの?」

「当たり前だろ」


中身はいつもの恋一だ!

めんどくさいと言いながらも、意外と様になっている恋一はすごくかっこよかった。


「似合うよ、恋一!」

「え!?
お、おう…サンキュ//」


恋一は鼻をかいて視線をそらした。

ふふ、照れてる!
かわいい!


「あ、そうだ
1つ言い忘れてたことがあるんだ」

「「「何?」」」

「聖、莉子のクラスの出し物にやっぱ参加するらしい」


そうなんだ…
あんなことがあったからかな…


「よっし!
邪魔者はいねぇ!」

「恋一…最低ー」

「なんでだよっ!?」


聖くんがいないのは寂しいけど、三人がいれば大丈夫…!

私は気合いを入れた。


「あともう少しで開店だ。
しっかり働けよ?お前ら」

「言われなくてもわかってるっつのー!」

「頑張る!」

「精一杯やるね!」


カランカラン


さっそく1人目のお客さんが入ってきた。


「いらっしゃい…ませ、ご主人様//」


や、やっぱり改めて言うと緊張するよー!!


「ご主人様、二名でしょうか?」


美沙は慣れたように接客をこなす。


「こちらへどうぞ!」


ほとんど美沙に接客をしてもらった。


「ひかりー、しっかり!
練習ちゃんとしたんだから大丈夫だよ!」

「う、うん!」


そうだよね、頑張らなくちゃ!!

気合いが一気に入って、次のお客さんの接客へ向かった。


「おかえりなさいませ、ご主人様!」


今度は噛まずに自然な笑顔で言えた!!

心の中でガッツポーズをする。


「君かわいいね」

「あ、ありがとうございます!!」


褒められた!!
嬉しいな…!


「よろしかったら、お帰り頂く前に投票をお願いしてもよろしいですか?」


私達のクラスはモチベーションを上げるために、人気投票をすることにした。


「わかった!
投票しておくよ!」

「ありがとうございます!
それでは、こちらへどうぞ!」


順調!

ふと恋一に視線をやると、女の子相手に笑顔で接客していた。

な、なんか複雑だ…

やきもちを妬きながら、仕事へ戻った。

一般の人も生徒も、みんな恋一と玖白目当てで行列ができてる…
うぅー

やりきれない気持ちを私は仕事にぶつけた。






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