武士道セブンティーン!!


「あーもー、いいからさ、とっとと覚まさしてくんない。つか何であたしこんなとこ居んだよ」


黒猫を無視して、辺りを見渡す。

どこを見ても黒、黒。ひたすら闇が広がる。
この空間にいて、あんまりいい気はしない。

メチャクチャ不安になるし。


『…………』

「もう、一体なに────」

『ミヤモト、マサキ』

「…………え?」


いきなり聞こえた声に、身体が固まる。


え、ちょ、なに。

今の明らかあたしの声じゃなかったけど。

つか聞いたこともない声だったけど。


恐る恐る足元の黒猫を見下ろす。

透き通るような青い瞳が、あたしをじっと見ていた。


「………え、まさかお前?」

『ミヤモト、マサキ』

「ぎゃっ」


悲鳴をあげる。

いや、キモいよ。フツーに気持ち悪い。怖い。


あたしがドン引きで体を仰け反らすと。

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