二重人格神様~金と碧の王~
「挨拶するかた、多い、ですもんね…」
「あぁ、挨拶など意味がない。界が違うのなら使える王も違う、それなのに他界の王に媚をうる意味が俺にはわからない」
首をふり、脚を組ながらため息をはくグレンさん。
「海鈴はよくあんな奴等相手に笑顔を向けられる。腹ただしくないのか、上部だけの輩ばかりのくせに」
その仕草に、私は思わず笑みがこぼれ、そんな私を眉をよせみつめる。
「なんで、笑う」
「あ、いえ…グレンさんが、そんな風に愚痴をこぼすなんて、初めてのみたので…今まで、まともな会話とかしなかったから…なんか、新鮮で」
思えば脅されたり馬鹿にされたり、乱暴にされてばかりで、まともな会話などなかった。
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