二重人格神様~金と碧の王~


だから、少しだけ普通に会話したことが信じられない。


そんな私の言葉に彼は息を飲み込み、そのまま私をベッドに押す。


「だまれ。お前、調子にのるな。俺がお前を嫌いなのは変わらない。そんなことよりも、いつから体調が悪かった。海鈴と挨拶をしていた時は普通だっただろ」


「あ、はい…あの時は…その、恥ずかしい話しですが、別れてからルーテルさんと会って、お話しながら飲んでたんです」


「酒をか?お前、まさか…飲み過ぎか?」


「そ、そんなことないです。あれ、飲んだ感じ…お酒の味はしなかったので」


「そ、うか…」

「はい。そうしてるうちに、だんだんと気分が悪くなって、今に至ります」



布団をかぶり身体を包むとグレンさんは顎を触り呟く。


< 225 / 513 >

この作品をシェア

pagetop