二重人格神様~金と碧の王~
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「いのり…」
私の名前を呼ぶ声が聞こえたのは、それからすぐの事だった。
飛びそうになる意識をなんとか保ち、時間の流れを待っていると、その声は聞こえたのだ。
私の名前を呼ぶ、グレンさんの声。
「……」
「偉いな。ちゃんと、起きていたのか」
ベッドの上に座りこみ、頬に触れる。
「う…ん…約束…した…から」
「……」
私の声は、先ほどと比べて…また、小さくなった。目をうっすらと開ける力と掠れた声を出すので、精一杯…視界にうつるグレンさんの姿もぼやけて見える。
「そうか。ありがとう」
「…ん。いのり…?」
名前を呼び、そっと私の手を握る。そのまま指にキスを落とすと、自身の頬に私の手を促す。
「…?」
「お前に出会えて…本当に良かったよ」
え…?