二重人格神様~金と碧の王~
「グレン、そこからたて」

「え?」

顎で促され、グレンは立ち上がる。

何を言われるのだろう。不安が醸し出すように顔をしかめる彼にシャカは言った。

「手が…ないわけじゃない」

「え…本当…か?」

「あぁ…だが…」

「なんでもする。だから…頼む」

その言葉にシャカは返さない。だが、グレンの顔はとても真剣だ。そんな顔をされては言わないのは、意地悪だろう。

「グレン、お前はなんでもすると言ったな」

「…あぁ」

「今から言う事は、少し酷かもしれない…それでもいいのか?」

「…拒否する理由なんて、ない。俺の望みはいのりが生きてくれることだけだ」

「そうか…それなら、言おう…」

「……」

シャカが言い放った言葉に、グレンは言葉なく身体が固まった。

長い説明の後、何かを思うように額に手をあて、俯く。それをシャカは黙って見守っていた。









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