二重人格神様~金と碧の王~
そっと、目を閉じれば、気持ち良い風が吹き抜ける。
この世界の風は、とても澄んでいる気がするのは私だけだろうか。
お父さんの故郷の田舎と同じ。
「やっぱり、少しだけ…帰りたいな」
そう、口で言うのは簡単で、実際、お父さんのことや私を狙っているライ達のことがあるから、帰れない。
この歳で、家が恋しいでなんて…フッと薄く笑うと、次第に睡魔が襲い、そのまま眠ってしまいそうになった時。
「お前、よくこんな所で、眠れるな。信じなれない、その神経」
「…え?」
背後から海鈴さんの声が聞こえ、振り向けばそこには海鈴さんの姿。
「海鈴さん?」
「は?」
名前を呼べば、その顔が一瞬にして不機嫌に変わる。
眉間にしわを寄せ睨む姿に眠気など、一気に吹き飛び慌てて距離をとれば、腕を掴まれ、そのまま背後から抱き締められた。
「ちょっ」
この人…海鈴さんじゃない。こいつは、もう1人の海鈴さんだ。ブルーの瞳ではない、金色の瞳の彼だ。
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