二重人格神様~金と碧の王~
布団をギュウと握りしめ、身体を小さく丸めると海鈴さんが近付いて来る足音が聞こえる。
規則正しく響く足音に、私の心臓は激しく鼓動していて…ギシッとベッドが軋む音に、目を瞑った。
「…っ」
「いのり?」
優しく呼ばれる声に、あの彼とのことが頭に浮かび、涙をぐっと押さえながら"はい"と、答える。
震えを隠す声に、怪しいと思われたに違いない。けれど、ここは誤魔化さなくちゃ。
ばれたら、いけないんだから…っ
「大丈夫かい?なんか、昨日から、おかしいよ」
「…っ」
「今更、家が恋しくなった?それとも、父親が見つからなくて、不安?それか、やっぱり部屋を別にしたかった?」
その声に、私は"ううん"と、言う。
*