二重人格神様~金と碧の王~


「いいよ。それより、僕の口説き文句に対しては無視?」


「え?」


一歩近付く海鈴さんに対して一歩下がると、彼は立ち止まる。

「どうして、逃げるんだい?」


「い、いえ。別に。逃げてないですよ」

「そう」


頷き、また近付く彼に対し、私は視線を泳がせながら一歩下がる。


「逃げているじゃないか」

「き、気のせいですよ!あ、それより…そろそろ寝ませんか?」


カーテンをしめ、電気を一つ消しベッドに駆け込み布団を被る。


「…いのり?」


「お、お休みなさい」


速く寝たふりをしないと。そうしないと、見られちゃうから。

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