二重人格神様~金と碧の王~
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翌朝、まぶしい朝日に照され、それを避けるようにゴロンと身体を回転させ寝返りをうつと、ゴンッと何かにぶつかった。
「…ん」
少しだけ、硬いけれど、心なしか柔らかい感触に手を伸ばしそれに抱き付くと頭上からクスリと笑う声がする。
穏やかで優しい笑い声に、重たい瞼を開けると目の前には海鈴さんがいた。
「…あ」
「おはよう、いのり」
布団の隙間から見える海鈴さんの肩と胸板に、昨日のことを思い出してしまい、顔を赤くしながら、布団に隠れる。
「お…は、よう、ござい、ますっ」
そんな私を海鈴さんは笑顔のまま見つめ頭を撫でた。
「可愛い反応するね」
「う…は、恥ずかしいですっ」
「数時間前まで」もっと恥ずかしいことしてたけど
「それも、ですけど…なんか、朝って、更に恥ずかしいっ」
昨日のことを考えるだけで、頭がおかしくなりそうだ。
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