二重人格神様~金と碧の王~



昨日、海鈴さんが、私に初めて好きと言ってくれた。


抱かれている時も、海鈴さんは沢山"好き"と囁いてくれて、まるで夢のような時間だった。


こうなるなんて、思ってもいなかったから、まだ頭がついていかないけれど、私の頭を撫でてくれる海鈴さんの腕に、本当なんだなって、実感。


「海鈴さん…」

「…ん?」


「なんか、離れたくない、です」

「なんだい、それ。いのり、そんなこと言う子だったけ?」


「だ、だって…」

「なら、もう一回する?」

「…え?」

「アレスが来るまでなら、一回なら、出来る」


その言葉に、身体が熱くなる。

「なにいって、昨日、沢山しました…っ」

「そうだけど、好きな子は何回でも抱けるから」


「それ…わたし、ですか?」


「いのり、以外誰がいるんだい?好きだよ、絶対にグレンには渡したくないくらい」


そう言われ、熱いキスが落ちれば、ベッドが大きくゆれ、深く沈んでいった。





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