[完]バスケ王子に恋をして。
……え……?

今なんて言った……?

付き合ってる……?

何で……?

春樹は……?

どうしたの?

ーガンッ

「う″……」

またいろいろ考えていると気持ち悪くなってきた。

「奈未!!」

急いで海斗がナースコールを押す。

「どうしました?大丈夫ですか?」

呑気な看護師さんが背中をさする。

ー「俺、赤織春樹っていうから覚えといて?」

「私、海斗のこと……好きなんだ……」

違う……何であんなこと言ったかな……?

「ねぇ、春樹のこと教えて?」
「んー……また今度ね」
「えー!?」

「夏恋さん」

「今日咲羅の出たばっかりの写真集持ってきちゃった♪」

「キャー!!奈未かわいい!!後で絶対プリ撮ろうねー」

なんでこんな重要なこと忘れてたんだろう……。

なんて過ちを犯してしまったんだろう……。


「すいません……もう大丈夫です。ありがとうございました」
「ほんと?また気持ち悪くなったら呼んでね?」
「はい、すいません」

看護師さんは部屋から出て行った。

「奈未、大丈夫か?」

辺りはもう真っ暗になっていた。

「ねぇ海斗……」
「ん?」

海斗の顔見てこう言った。

「何で嘘ついたの?」

冷たく……低い声で海斗を睨み付けながら。
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