ama-oto
 お互いお酒もかなり入り、おなかもいっぱいになってきたところで、お開きとすることにした。新人研修も終わり、ある程度仕事も慣れて来たから、たまには飲みに行こうということになった。

 「絶対だよ。」
 「その時には、面倒くさいが減ってるといいね。」

 知香の言葉に、うなずくことしかできなかった。

 店を出て、お互いのアパートまで帰宅することにした。知香のアパートと私のアパートは最寄コンビニが同じで、駅前広場を抜けて、そのコンビニでそれぞれの方向に行くような位置にある。

 女2人が千鳥足で、きゃいきゃい話しながら家路を歩いた。あっという間にコンビニまでたどり着いた。

 「またね。」
 「またね。…あ、そうだ。」
 「んー?」
 「菜月、愛されてるね~。」
 「何言ってんの、酔っ払い。」

 知香はぐふふと笑って私を見た。

 気の置けない友人とのひとときで、今週のアレコレでたまったものが、かなり軽くなった。ありがたい。

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