恐怖短編集
「何だよ? わざと負けたとか言うなよ」


「さぁなぁ、ただ罰ゲームに興味はあったからな」


「興味?」


「なんとなくな」


答えを濁らせる茂に、東夜は首を傾げた。


茂はいつも自分に対して何か利益があることや、興味をそそるものに対してしか自分から何かしようとはしない。


「でもさぁ――」


何かを言いかけた茂が、突然ハッと両目を見開き、そのまま硬直してしまう。


「何だよ?」


聞き返す東夜に、二人は無言のまま東夜の後ろに視線を集中させた。


目を大きく見開き、口を半分開けた状態で固まる二人。
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