恐怖短編集
「なんだよ」


もう一度そう言い、振り返る東夜。そして、二人と全く同じ表情で固まってしまった。


その目の前にあったのは、大きな病院だった。東夜達は二、三歩後ずさりし、マジマジとその病院を見上げた。


辺りが暗いのでどのような病院なのかもわからなかったが、そこに存在する事は事実のようだった。


「どうして……」


呟くが、後が続かない。


何よりここにこんな大きな病院があるのに、歩いていて全くそれに気づかなかったのだ。


そして、次の瞬間、病院の二階の隅に明かりが灯ったのだ。


「うわっ!」


思わず声を上げ、逃げ腰になる三人。


すると、その灯りが合図だったかのように次々に部屋の明かりがつき、辺りがパァッと明るくなる。


病院の中から話し声が聞こえ、人影までが現れる。
< 324 / 349 >

この作品をシェア

pagetop