恐怖短編集
☆☆☆


「どうなってんだよ」


茂は大きく息を付き、その場に倒れこんでしまった。


孝もその後からついてきて、大粒の汗を滲ませている。


二人は東夜をほっておいて歩き出したのはいいが、どこをどう歩いてみても、結局最初の病院へと戻ってきてしまうのだ。


やけになった茂はその辺の無茶苦茶に走り回り、無駄な体力を使ってしまった。


「ぜってぇ何かあるんだよ」


孝は呼吸を正しながら、病院を見上げた。


「何かって何だよ」


イライラしたような茂の口調。


孝はそんな茂を見ていて、何かおかしいと感じていた。


この病院が現れてから、どこかそわそわしているし、森から出られないことではなく、病院の事ばかりを気にしているのだ。
< 338 / 349 >

この作品をシェア

pagetop