恐怖短編集
もしかして、医療ミスでもあったっけ?


東夜の妹の自殺?

それとも……。


「あ!」


思わず孝は声を上げた。


「東夜、妹さんが自殺したのは新聞に載ってないよな? だからお前も病死という狂言を信じてた」


咄嗟の質問に、東夜は眉を寄せて怪訝そうな表情をする。


「いや、悪い。でも、病院で自殺をして新聞やテレビに載らない事って少ねぇだろ? しかもこんなに小さい子が。もしかしたら、裏で何かあるのかもしれねぇ」


孝の言葉に、東夜はようやく顔を上げて頷いた。


そして、その記憶は映画のワンシーンのように蘇ってきた。


そう、この日だ。


美由紀が持っているマンガを東夜が持ってきた日。


いつも通り院内に入らずに帰った、でも……それは帰りがけの事だった。


救急車や消防車が次々と病院の方へ向けて走っていくのを見たのは。
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