恐怖短編集
「加瀬さん」


夜景を見ながら、私は祐樹の手に自分の手を重ねた。


普通、こういうことは男からするものだけど、もう演じるのは嫌だったから。


私に手を握られて、祐樹は一瞬驚いた表情になる。


それから


「あ~、やっぱり無理だ」


と、声を上げる。


「無理無理。夏海ちゃんを妹だと思うなんて、無理」



「え?」


「こんな可愛い子目の前にして、理性保てると思う?」
< 36 / 349 >

この作品をシェア

pagetop