恐怖短編集
驚いたような表情を見せたあと、眼をふせ、祐樹に何もいわず立ち去ろうとする。



「逃げないでよ」


私は後ろ姿の恭子へ冷たい言葉を放った。


そこで、ようやく祐樹も私に気付く。本当、男ってどこまでも鈍感で嫌になる。


「夏海、違うんだよ、これは」


「違うって、何が?」


一番に言い訳を口にするあたりが、腹立だしい。


そして、祐樹は土下座した。


「ごめん、許してくれ!」
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