恐怖短編集
☆ ☆ ☆ ☆


場面は桜の河川敷から、今ここにある古い電車の中へと移り変わった。


私と、祐樹と恭子。そして、はじめての電車に乗って大喜びする真美。


「真美、これは本当の電車じゃないんだよ。今度、本物の電車に乗ろうな」


祐樹が、娘に無理矢理笑みを作ってそう話しかけた。


なぜ、ここを話し合いの場所に選んだのか、私は覚えていない。


ただ、気が付けばここへ二人を導いていたのだ。


……いや、話し合いなど、最初からする気はなかったのかもしれない。
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