*嘘月とオオカミ先輩*
「すいませんっ、講義が長引いちゃって」
息を弾ませて走ってきた彼女はペコっと頭を下げた。
「おーツッキー。休みかと思ったよ。今日は俺とサクヤが世話係だから。よろしくー」
友坂の言葉に「お願いします」と答える月島。
言いながら友坂にばっかり目線を合わせて、オレの方は一切見ようとしない。
ジャージの長パンにTシャツ、頭の高い位置でまとめられた長い髪。
その白い肌に、髪に……、
つい昨日、触れたばかりなのに。