*ミーくんの好きなひと*
知ってるよ、2人が陰でいろいろ言ってるの。
「この間もね、夜抜け出すって言ったら、危ないから駄目って怒られたんだけど、結局ミーくんの方から会いにきてくれて……」
私が話し出すと、ノゾミはわざとらしく声を上げる。
「えー夜中に? 優しい!」
その口元には侮蔑の笑みが残ってて、発したばかりの言葉が本心じゃないと語ってる。
マキの顔にも同じような空笑いが浮かんでた。
「萌いいなぁ-」
私の惚気にうんざりしてるようで、実際は2人とも楽しんでる。
「ミーくんてばすっごい優しいんだぁ! 何言っても怒ったりしないしさぁ」
陰で盛り上がりたいんなら、そうすればいい。
退屈しないように、
「あたし滅茶苦茶愛されてるんだぁ!」
ネタをたくさん提供してあげる。