*ミーくんの好きなひと*



「無理」


突然だったのか。
それとも想定外だったからか。


「え?」
 

切れ味鋭い私の言葉に、彼は困惑顔で顔を上げた。


「キミ、あたしのタイプじゃない」
 

冷たく言うと、凛々しい眉が悲しげに下がる。


「それに知らない男と2人で映画とか、きも」
 

目の前の整った顔が歪むのを見届けて、


「じゃあ」
 


私は更衣室へ向かった。


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