*ミーくんの好きなひと*
「萌、ひどっ」
2、3歩行くと木陰からノゾミたちが出てきた。
「なにが?」
ていうか、やっぱ覗いてたんだ。
並んで歩きながら、彼女たちは口々に私を非難する。
「あんな言い方、森川くんが可哀想」
「そうだよー。断るにしても、もっと優しく振ってあげればいいのに」
「だって事実だもん。それにいちいち優しくすんの、だるいし」
「あー萌は週1で告られるもんね」
ノゾミの目に冷めた色が浮かぶ。
週1で告られてたのはモテ期のときだけなんだけど。